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あすなろ148 静電気(過去記事再掲)

2018年3月6日投稿

 

 

 

2014.02号

 

中学生向け英作文の問題で、
「あなたの好きな季節を、その理由もつけていいなさい」
なんてのが時々あります。

 

普通は、好きな季節よりも、嫌いな季節の方が理由がつけやすいと思うのですが、嫌いな季節を答える問題には、多分これまでに出会った記憶がありません。
嫌いだという文では、イイコチャン作文(※)にならないからでしょうか。

 


※イイコチャン作文

 

小学校の作文は、
「思ったことをかけばいいのよ」
「自由に書いていいんだよ」
と言われる割には、
『遠足はつまらなかったです。あと、鈴木君はバカです』
とか
『クリーンセンターのおじさんが説明しているとき、遠くでエゾゼミが鳴いていました。

でもせっかくのエゾゼミなのに、おじさんの声がうるさくてよく聞こえませんでした』
とか書くと、訂正を求められます。
結局、そうやってできあがった作文や感想文は、みんなイイコチャンを装った画一な文章となってしまうので、そういうものを私はイイコチャン作文と呼んでいます。


 

てなわけで、嫌いな季節の話ですが、私が嫌いな季節は冬です。

 

理由としては、寒いからってのもありますが、そんなんだったら夏だって暑いから同じです。
それよりも、主に冬にしか起こらない現象で、嫌いなことがあるのですよ。

 

それは、静電気です。

 

というわけで、もし英作文で嫌いな季節を書けといわれたら、私なら冬ですと書くでしょう。
ただ、理由まで英語で書けって言われても、静電気って英語でなんて言うんだろ?
えーっと?
static electricityですか。
へー。

 

一ヶ月先には忘れているだろうなあ。

 

そんなわけで、静電気のお話です。

 

静電気のことは、中学二年の理科で習います。
その時は、
「静電気とは、電気を通さない二種類の物質を摩擦させたときの起きる電気のこと」
「静電気には+と-の二種類があって云々」
なんて習い方をします。
そして、電気を帯びた物同士が引き合ったり反発したりする実験をするわけですが、こんな風に、電気が起きても、その場に溜まったままの状態になるのが静電気です。

 

引き合ったり反発したり、という現象は、ちょうど磁石のN極とS極の関係に似ています。
これ、たまたま似ているというわけではなくて、実は本質的には同じ種類の現象なのです。
学問としては、電磁気学という世界のお話となるわけですが、これ以上の詳しい話はいたしません。
いたしません。
だってスカラーポテンシャルとかベクトルポテンシャルとか、ちょっと読んだくらいではちゃんとは理解できないんですよ。

 

さて、物が電気を帯びることを、帯電といいますが、ではなぜ、電気を通さない物質(=絶縁体)同士を摩擦させると帯電するのか?

 

......えーと、電子が片方から片方に飛ぶからなんですが、なんで飛んじゃうのかは、よくわかりません。
いや本当にわからないらしいんですよ。
とにかく飛ぶのです。

 

似たようなものとしては、やはり中学の理科で習うイオン(※)というものがあります。
水溶液中で+と-の電荷を帯びた粒が泳いでいる話なのですが、あれと同じようなものだと考えてもらっても結構です。

 

※イオンは少し前まで高校で初めて習っていました。
※マイナスイオンという物は、単なるエセ科学ですので騙されないように。
とは言っても、最近はウソがばれてきたからか、あまり見かけなくなってきました。

 

で、そこまでなら下敷きに髪の毛がくっつくとか、発泡スチロールのクズが手にくっつくといった程度で終わるのですが、困るのが放電ですよね。

 

帯電によって、物質同士の電位差が大きくなってくると、物質同士が接触する前に、電気はジャンプして相手に飛び移ろうとします。
これが放電で、火花が飛ぶ痛いアレです。

 

放電の巨大なやつが雷です。
あれは、積乱雲の中を、霰(あられ)がグルグル対流してぶつかり合っているうちに摩擦で静電気が起こるから、と言われています。
その静電気が限界まで溜まると、地球に向かって放電するわけです。
セーターの静電気と、基本は全く同じです。
規模は全然違いますが。

 

余談ですが、平賀源内のエレキテルも、摩擦で発生させた静電気だとのことです。

 

そんなわけで摩擦によって電気が起きるわけですが、こする物によって、電気が起きやすい場合と起きにくい場合があります。
というよりも、物質によって、プラスになりやすかったりマイナスになりやすかったりする性質が決まっています。

 

そのなりやすさの一覧を、帯電列といいます。
この列で離れているほど、こすったときに静電気が起きやすい組み合わせとなります。

 

以下、その順列を示します。

 


↑正(+)に帯電しやすい

 

空気
人間の皮膚
皮革
ウサギの毛皮
ガラス
石英
雲母
人間の毛髪
ナイロン
ウール

猫の毛皮

アルミニウム
紙 (弱い正電荷)
木綿 (電荷なし)
鋼 (電荷なし)
木材 (弱い負電荷)
ルーサイト(デュポンのアクリル樹脂)
琥珀
封蠟
アクリル
ポリスチレン
ゴム風船
天然樹脂
硬質ゴム
ニッケル、銅
硫黄
黄銅、銀
金、白金
酢酸塩、レーヨン
合成ゴム
ポリエステル
スチレン (発泡スチロール)
アクリル繊維
ラップ
ポリウレタン
ポリエチレン(セロハンテープなど)
ポリプロピレン
ビニール(ポリ塩化ビニル (PVC))
ケイ素
テフロン
シリコーンゴム
エボナイト

 

↓負(-)に帯電しやすい


 

要するに、着る物に気を付ければいいのです。
人間の皮膚や毛髪に近いナイロンや毛のセーターならいいのですが、アクリルを買ってしまったりすると、脱ぐときにバチバチするわけです。
ただ、アクリルのセーターを着ていても、それ以外の服がポリエステルなら、脱ぐとき以外には静電気は起きません。

 

最悪なのは、ポリエステルのワイシャツとナイロン+毛のスーツの組み合わせでしょう。
要するに昔の私です。
もしくは、毛のセーターとアクリルセーターの重ね着なんてのもダメでしょうね。
要するに今の私です。

 

いや、この、服の組み合わせでダメってのはずっと知っていたのですが、何と何が良くてダメなのかを、すぐ忘れちゃうんですよ。
なので今の季節、もうバッチバチですよ。
何も考えずにクルマから降りて車体を触ると、必ずアレが来ます。

 

ですから、クルマから降 りるときにはボディの鉄の部分を触りながら降りるとか、地面に触れてから降りるとかしています。
これは、いわゆるアースというやつで、地球に放電している わけです。
他にも、腕あたりで服越しに触ることで、放電の威力を減らすワザもあります。
こういう余計な苦労をしながら、春を待つ日々を送っているわけです。

 

ところで、インターネットを漁っていたら、またくだらない用語を見つけました。

 

「静電気体質(笑)」

 

そしてその原因は、ドロドロ血液(笑)

 

ドロドロって粘性が高いって意味?
つまりゲル化?
血液中にゲル化の要因となるような物って血糖くらいだけど。
つまりドロドロ血液って糖尿病か。

 

......バカジャネーノ?

 

まさに、エセ科学の種は尽きまじ、です。

 

学塾ヴィッセンブルク 朝倉