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あすなろ21 あるある→アミノ酸ブーム(過去記事)

2018年3月16日投稿

 

 

 

2003.07号

 

さて、最近の世間様ではまたアヤシイものが流行っているようです。

それは、

 

「アミノ酸飲料」

 

って、いや、ちょとまてくだーさい。

 

アミノ酸って、ただの蛋白質の構成要素ですがな。

肉食ってりゃ足りまっせ。

今時普通に生活していて、肉不足な人なんてきいたことないでげすよ。

 

と云うわけで、なんでこんなもんが流行っているのか調べてみました。

 

最初の出典は、やっぱり例によってテレビ番組でした。

その中で、「体力アップアミノ酸」「脂肪燃焼アミノ酸」と云うものが紹介されています。

 

その効果を「実験」で比較しています。

 


・アミノ酸を摂ったAさんとBさんは運動後の疲労が少ないが、アミノ酸を摂っていないCさんとDさんは疲労が大きい。

・同様に大量の計算をさせると、AさんとBさんは正解数が高いが、CさんとDさんは正答数が低い。

 

結論→アミノ酸には対疲労効果がある!


 

あ~。

 

あのさあ……。

 

あいかわらずテレビって馬鹿なことやっているんですねえ。

 

個人の元々の体力や計算力のデータは?

正解数はいいけど、正解率は?

まずそれがないとお話になりません。

同一人物の同一条件で、せめて10回は比較しないと全く意味がありません。

 

この番組の公式ウェブサイトでは、くだらない生データを恥ずかしげもなく公表しています。

見ると、最初の「運動」は乳酸量の比較をしているわけですが、

 

Aさん:1.8→7.3

Bさん:2→10.9

Cさん:2→12.9

Dさん:2→15.7

 

これを上昇率で比較してみますと、

 

Aさん:405%

Bさん:545%

Cさん:645%

Dさん:785%

 

棒グラフにすればすぐにわかりますが、BさんとCさんの間に線を引くような結果ではありません。

全に個人差であると断言できます。

 

次に、単純な足し算を30分続けて、正解数を競ったデータはこうでした。

 

Aさん:1067

Bさん:1134

Cさん:286

Dさん:859

 

Cさんを基準(100)としますと、

 

Aさん:373

Bさん:396

Cさん:100

Dさん:300

 

ここで、100と300を同グループに入れておいて、300と373を別グループに分ける理由は一体何でしょうか。

残念ながら私の理解を遙かに超えていて、全くもって意味不明です。

 

最後にはスポーツ選手やモデルの方のインタビューが掲載され、その効果を歌っています。

確かにアミノ酸摂取による効果があると云うことですが、こういう普段からぎりぎりの栄養摂取を心がけている方々と我々とを比べること自体がお笑いです。

 

普段我々が生活していて、今以上にアミノ酸が必要になることなんてありません。

成人男子が一日に必要とする蛋白質は、たったの70gです。

女性なら60gです。

これに足りていないと思いますか?

 

ではアミノ酸を摂りすぎた場合。

大丈夫、体に害はありません。

でも体は、せっかく摂ったものを無駄にはしません。

脂肪に変えて保管しておくことにしましょうか。

蓄えが増えてよかったよかった。

 

よく通販で見かける「ダイエットアミノ酸」に至っては、飲むだけで寝ている間にどんどんやせるそうです。

もう理解不能。

 

一応メーカー側の弁明もしておきますと。

ある特定のアミノ酸を組み合わせは、運動後の筋疲労の回復を補助する効果が見られると云う研究結果もあるそうです。

うまく使えばダイエットにもつながらない訳ではないと云うことです。

 

ただし、ここからが肝心。

どの飲料のウェブサイトを見ても、うまーくごまかされているような印象を受けるのは私だけですか?

 

たとえば、「燃焼系アミノ式」

 


・いわゆる現代人は、(中略)生活スタイルを気にしているのでございます。

こんな皆様には、燃焼系アミノ酸飲料「アミノ式」!

(中略)いつでもどこでも気軽に補給できてしまいます。(後略)

 

・アミノ式には、「燃焼系」をイメージして選りすぐった5種類の(略)


 

アミノ酸にどのような効能があるのか、なぜ必要なのか、一切触れていません。

だいたい燃焼系を「イメージして」ってあんた……

 

テレビCMでも、

「こんな運動しなくても、燃焼系アミノ式」

という文句、私には

「こんな運動しなくても、まあこれでも飲んで落ち着けや」

と聞こえますが。

「おーいお茶」と同レベルですね。

 

さすがに、世界三大アミノ酸メーカーである味の素(もう一つは協和発酵)では、きっちりと「条件付きではやせる」と説明が入っています。

ただしここには「現代人は不足がち」との記述を見つけられません。

おそらくそういうデータが存在しないのでしょう。

 

最後に、知人の医師の言葉。

 


普通の人でアミノ酸欠乏なんて聞いたことがない。
よっぽど栄養がとれないような病状の患者さんとかならありえないことではないけど、
もうそういう場合は脱水症状をおこしているとか、そういう状態


 

……今、そういう状態ですか?

 

というわけで結論。

 

・アミノ酸の補給は必要なし。

・ダイエットには運動せよ。

 

以上。

 

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