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あすなろ135 彗星(過去記事)

2018年4月6日投稿

 

 

 

2013.01号

 

天文年鑑などによると、来年(2013年)は彗星の当たり年なのだそうです。

 

っていう話をしていたら、彗星って何?と質問をする中学3年生が……

 

確かに、彗星のことは、学校の理科ではちゃんとは習いませんよね。

ここで説明いたします。

 

彗星というのは旧海軍の艦攻の名前です。ん? 艦爆だったかな? まあともかく、コンパクトな機体に液冷エンジンの組み合わせで、超萌えるルックスをしています。ちょうど、スピットファイアみたいな感じでしょうか。いや、スピッツみたいなダサい主翼じゃないから全然違いますね。でも後の型になってくると、三二型からかな?発動機の生産が間に合わなくなってきて、星形空冷エンジンになっちゃうんですよね。液冷エンジンは、壊れるだのなんだの言われることもありますが、実際は、現場の整備兵が空冷慣れしていたために、整備が不十分だったなんてこともあったみたいですね。あと彗星といえば、単機で空母を一隻沈めたという、伝説のレイテ沖の話は欠かせませんよね。


 

今のは無し。

 

彗星は、太陽系の中にある星の一つです。

ほうき星とも呼ばれて、長く尾を引く姿を見せるのが特徴です。

 

そもそも太陽系とは何かというと、太陽という星と、太陽を中心として回っている物体のあつまりを合わせたものです。

ですから、金星、土星、地球などの惑星以外でも、太陽の周りを回っているのはみんな太陽系の一部です。

惑星よりも小さい岩も、すごい数の物体が、太陽を中心として回っています。

 

今、太陽を「中心」とすると書きました。

確かに惑星は、太陽を中心とする円を描いているように見えます。

しかし、厳密には、惑星の軌道は真円ではなく、楕円となっています。

(→ケプラーの第一法則)

 

楕円というのは、焦点と呼ばれる「中心」を二つ持つ図形です。

高校で、理系に言ったら数学C(現課程では数学III)で習うことになると思いますが、次に示すような図形です。

そして惑星は、楕円の焦点の片方を太陽とした軌道を描いています。

地球の周りを回る月も、同様に楕円軌道です。

 

 

地球も太陽の周りを楕円で回っていますので、太陽と地球との距離は、一定ではありません。

ですが、その焦点が近いので、円のように見えるだけなのです。

 

また、焦点の距離は、惑星によって違っています。

地球は焦点の距離が短い=離心率が低いので、比較的真円に近いのですが、離心率が非常に高くて、太陽じゃない方の焦点が遙か彼方にある天体もあります。

周回している彗星は、そんな天体の一つです。

 

 

と、そこまで書いておいてアレですが、本当はこの下図のように、楕円以外の軌道を描く彗星もあります。

というより、大抵の彗星は、楕円以外の軌道を描いています。

そしてそういう彗星は、二度と帰ってきません。

楕円軌道で帰ってくる彗星を周期彗星、帰ってこないのを非周期彗星と呼びます。

 

彗星の正体は、よく「汚れた雪玉」とか「凍った泥団子」などと言われる通り、塵と氷でできています。

それが太陽に近づくと、太陽の熱で解凍された液体や気体が噴き出してきます。

それが太陽熱にあおられて、太陽と反対側へ流されていきます。

それが、彗星の尾です。

ですから、彗星の尾は必ず、太陽と反対方向に伸びます。(上図参照)

 

そういうわけで、彗星はいろいろな粒をまき散らしながら通過していきます。

ですから、その通った跡には、沢山の塵が、彗星と同じ軌道を、帯のように漂っています。
(→ダストトレイル

 

その帯に地球がつっこむと、地球にはその塵が降ってくることになります。

降ってきた塵は、大気圏に突入する際に輝きながら燃え尽きて、流れ星となって見えます。

こうやって、たくさんの流れ星が見える現象を、流星群と呼びます。

 

毎年お盆のころに見られるペルセウス座流星群は、2013年は、月の条件が良いようです。

うまくいけば一時間に50以上の流れ星が見られるでしょう。

 

で、2013年の彗星の件ですが。

話題になっているのは、主に二つです。

 

一つは、三月~五月ごろに近づくパンスターズ彗星です。

これは、うまくいけば三月半ばごろの日没直後の地平線付近に、マイナス3等級の明るさで見られるでしょう。

それを過ぎてからでも、四月上旬まで肉眼で十分見える明るさを保つようです。

 

星は、明るい順に1等星、2等星……と分類されています。

例えば、オリオン座のワクを構成する4つの星のうち、左上と右下が1等星で、右上と左下は2等星です。

そうやって明るい星は数値を減らしていくと、明るい星はマイナスの等級となります。

次の表と比べて頂けるとわかりますが、マイナス3等級なら、かなり明るく見えることだと思います。

 

 

もう一つは、11月ごろに近づくISON(アイソン)彗星です。

こちらは明け方の空の、やはり地平線付近で見られるとされていますが、最大光度でマイナス13.5という予測が出ています。

 

満月より明るい彗星!

 

さあ、すごいことになってきました。

 

ただ、注意点があります。

一つには、このころは、地平線付近という高度と、ちょうど夜明けごろという時間帯のために、日本からはあまりよく見えないだろう、ということです。

 

もう一つは、予測はあくまで予測であって、どの程度明るくなるかはその時になってみないとわからない、ということです。

特に今回の彗星は、太陽に非常に接近する為に、そのまま蒸発したり分解したりする可能性もあります。

こうなったら、日本では観測できない状態になってしまいます。

 

過去にも、大彗星になると予測されたコホーテク彗星が、実際には3等級程度までしかいかなかった、ということもありました。

非周期天体の予測は、まだ難しいようです。

 

学塾ヴィッセンブルク 朝倉智義

 

 

追記

その後のISON彗星は、太陽に接近する前に割れてしまって、小さい彗星となってしまったために、特に世間の話題にはなりませんでした。