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あすなろ22 グルタミン酸(過去記事)

2018年4月9日投稿

 

 

 

2003.08号

 

前回、アミノ酸飲料について、朝倉的解釈をさせていただきました。

ついでですので、もう一つ、有名アミノ酸について、私なりの考察を書いてみます。

 

加工食品の成分表示のなかに、かならずと云っていいほど登場するのが「調味料(アミノ酸等)」と「香料」です。

これが二つとも入っていない食品と云うのは、今や本当に希です。

基礎調味料である醤油にも「調味料(アミノ酸等)」が入っているものはありますし、ペットボトルのお茶にも香料が入っていることがあります。

 

ご存じの方も多いと思いますが、「調味料(アミノ酸等)」の正体は、主にグルタミン酸ナトリウム(MSG)と核酸などの混合物です。

簡単に云うと、「味の素」+αです。

化学調味料のことです。

一時期は、安全性についていろいろ云われていたこともあるようですが、現在では特に問題ないとされているようです。

 

安全性について、いろいろ調べてみました。

安全性に対する記述がある時には、大抵「危険派」の意見になるようです。

安全だと思っている人はわざわざ主張しないから、どうしてもそうなってしまうのでしょう。

しかし「買ってはいけない」の例(*)もありますので、安全性に関して討論しているウェブサイトを参考にしてみました。

*かつて、怪しい論理で危険性ばかりをあおって売れた本の名称です。

 


・危険派(問題提起)

 

①動物実験によれば、大量摂取により神経に異常がみられ、死に至ることもある。

 

②中華料理症候群~大量摂取した人たちに頭痛や舌のしびれが起こった~の例にある通り、
人体にも影響を及ぼす実例がある。

その他、アレルギーを示す実験の報告がある。

 

③アメリカでは現在、二ヶ月までの乳児に与えることを禁じられている。

妊婦に与えないほうがいいとしている病院もある。

この事からも、毒性をもつことがうかがわれる。


 


・安全派(反論)

 

①動物実験で使ったMSGの量は異常なほど大量(人間で云うと一度に一瓶より多い量)で、
方法も経口でなく皮下注射であるため、データとして全く使えない。

味の素一瓶を一度に皮下注射したら、どこかおかしくなって当たり前。

これとは別に、人間換算で一日あたり一瓶近くを、マウスに二年間毎日経口投与した実験もあるが、
こちらでは異常が認められなかった。

(マウスにとって、二年間はほぼ一生分)

もちろんMSGに限らず、どんなものでも過剰摂取すれば毒になる。

 

②状況を再現した実験をしてみたところ、結果にあまりにもばらつきがあり、
MSGが原因であるという結論を出すことができなかった。

また、「アレルギーを起こす場合がある=毒である」と云うのなら、蕎麦も卵も牛乳も毒と云わざるをえない。

蕎麦で死者はでるが、MSGで人が死んだとは聞かない。

 

③乳幼児は体各部の構成が未熟なため、月齢に応じて過剰摂取を控えた方がいいものがある。

乳児は脳関門が未熟で、グルタミン酸は脳内の神経伝達物質であるために、
脳に入りすぎるのは危険ではある。

しかし、母乳にもグルタミン酸は含まれており、一切摂ってはいけないものではない。

確かにそれを明記しない企業にも問題はあるかもしれないが、だからと云って毒扱いは短絡的すぎ。


 

はい。

結論が出たようです。

MSGは体に悪いものではない、らしいです。

安心してどんどん摂取しましょう。

 

 

 

じゃなくて。

 

 

 

実は、私は化学調味料の入った食品を食べると、少々喉の奥が腫れます。

どうやらアレルギーのようです。

しかし、昆布ダシの料理(天然のグルタミン酸入り)では何ともありません。

摂る量の違いなのか、天然物と化学調味料とは何かが違うのか、そのあたりはよくわかりませんが、「アミノ酸等」は、あまり積極的には食べないようにしています。

 

私がそうだから、と云うわけでもないのですが、自分の子供(0歳・2歳)には「アミノ酸等」と「香料」を極力与えないようにしています。

微妙な感覚が麻痺するのが恐ろしいからです。

香料は特にそうですが、要は味を「騙して」いるわけですよね。

もしくは、無理ににおいを「濃く」しているということでしょう。

 

塩分の多い食事になれてしまうと、薄味の料理の味がわからなくなってきます。

それと同じで、子供の頃から「きつい味」になれてしまうと、繊細な感覚がなくなってしまいそうな気がしています。

そういう意味では、麻薬的な要素もあるのかもしれません。

逆に、普段から摂らないようにしていると、入っていれば味でわかるようになります。

いつもこう有りたいと思っています。

 

かく云う私も、学生時代には化学調味料を大量摂取致しました。

単体では買ったことがないのですが、30食1080円也の安いラーメンを、毎日毎日食べ続けました。

きっとかなりの量の化学調味料を食べさせて頂いたことでしょう。

その結果が今のアレルギーなのかもしれません。

カミサンには、

「一生分のグルタミン酸を食べ終わってしまった人」

と云われています。

 

ついでに、缶コーヒーも一生分飲み終わってしまったらしいです。

以前の職場(肉体労働)では、一日に何本も飲んでいましたが、ある日を境に、突然、においが気持ち悪くなってしまいました。

それ以来、もうダメです。

 

要は、何でも摂りすぎは良くないよ、と。

 

それにしても、香料とアミノ酸等は、本当に何にでも入っています。

これを全部避けるのは至難の業と云えましょう。

それでも、意識して成分表示を見るようになれば、と思っています。

 

ところで、参考までに。

 

「無添加醤油」の成分表示に、「酵母エキス」とあったら、「精製前のグルタミン酸を入れたんだなあ」と思ってください。

法律上、精製前ならば「アミノ酸等」と表示しなくてもいいらしいんです。

 

世の中信用できないことが多くて困ります。

ほんと。

 

学塾ヴィッセンブルク 朝倉智義