2025年10月

あすなろ74 サンマの食べ方指南

あすなろ

 
 
 
2007年12月号
 
 
 
いやはや、寒くなってきましたねえ。
 
もうすっかり、
秋だなんていってられなくなってきました。
 
 
 
秋の話題の中で、
いつか書きたいと思いながらも、
結局今まで書いていなかったことが
ありましたので、
今更ながら書きます。
 
 
 
それは、サンマの美しい(?)
食べ方指南です。
 
 
 
実はこの話は、
私が書いているインターネット上の日記に、
少し前にあげた話題です。
 
それが今年の11月13日のことだったのですが、
その数日後の16日だったか17日だったかに、
同じテーマの内容が、
テレビの深夜番組で放映されたのです。
 
もちろん偶然ですが、
ちょっとびっくりしました。
 
 
 
というわけで、
もしかしたらその番組を見た方も
いらっしゃるかもしれませんが、
別にテレビに対抗したわけではなく、
単なる偶然ですから。
 
……と、
先にお断りしておくこととします。
 
 
 
まず、サンマについて。
 
 
 
茨城に来て驚いたのが、
「サンマの開き」というものの存在です。
 
大学生の頃、
定食屋で「サンマ定食」を頼んだら、
そういうものを出された経験があります。
 
が、そういうものは無視します。
 
サンマといえば
ワタが入ってこそでしょうやっぱ。
 
 
 
皿に置くときは、
もちろん左側が頭です。
 
当然ですよね。
 



 
さて、
最初に解体するのは、手前腹側です。
 
頭側からいきましょう。
 



 
まずはこんな感じです。
 
大根おろしは大量に用意しましょう。
 
理由?
 
その方が楽しいからに決まっています。
 
余ったら余ったで、
大根おろしご飯が食べられますし。
 
それでも余るようでしたら、
煮物にでもいれちまえ。
 
 
 
順に開いて腹側を食べていきます。
 



 
一通りいったら、次は背身です。
 



 
尻尾まで順に開いて食べましょう。
 



  
さて、次はいよいよお待ちかね、
はらわたです。
 
……とはいっても、
お子ちゃまにはこの味は
わからないでしょうから、
初心者は、まずは食べやすい
心臓からいきましょう。
 
これが心臓です。
 



 
えらぶたの際(きわ)にありますので、
ちょっと頭側から掘り出してください。
 
錘型(すいけい)をしています。
 
よく見ると、
見るからに一心房一心室で、
なかなか愉快です。
 
中学生くらいまではこれが
「キモ」だと思っていました。
 
心臓は、ワタにおいても
「グニャグニャしていなくて苦くない部位」
ですので、
不慣れな方は、
こちらだけでも食べてみましょう。
 
 
 
さあ、他のワタも全部食べ……
るというわけではありません。
 
一カ所だけ、
ちょっと食べにくい部分があります。
 
胃なのか何なのかよくわかりませんが、
決まって鱗(ウロコ)が重なって
入っている場所があるのです。
 
 
 
鱗は大抵、
緑がかった色がついています。
 



 
鱗なんて食べてもおいしくないので、
これだけはよけて端に残しておきます。
 



 
というわけで、
それ以外のワタは食べられる部分です。
 
慣れていない方は、
大根おろしをだっぷりと乗せて、
混ぜて食べましょう。
 




  
今でこそ、
ワタにはあまり大根を混ぜない私ですが、
学生の頃までは、
この段階で大量の大根を消費していました。
 
 
 
正しい手順としては、
もしかしたら表背身よりも
ワタの方が先だったかもしれません。
 
間違えていたらごめんなさい。
 
 
 
次は、向こう側の腹身を外していきます。
 



 
ここで、
尻尾を手で掴んで持ち上げる、
なんて下品なことはしません。
 



 
置いたままの状態で、
肉だけ外していきます。
 
 
 
外れました。
 



 
最後は向こう側の背身です。
 



 
これももちろん、
骨はそのままで外していきます。
 



 
最後までいきました。
 



 
そして、ごちそうさまです。
 



 
 
 
 
いかがでしょうか。
 
 
 
以上の手順は、
親父から教わった
「お茶の作法による正しい食べ方」
のはずですが、
もしかしたら、
どこか記憶違いで間違っている可能性は
ありますのでご了承を。
 
 
 
と、ここまで書いておきながら、
そろそろサンマの季節も終わりですね。
 
 
 
食べたくなってきたところ、
どうもすみません。
 
今シーズンはもう、
いいサンマが無いようでしたら、
今回の内容は、
来シーズンまで保管しておいてください。
 
うひひ。
 
 
 
ところで、
先に出したテレビ番組上では、
「和食の先生」とやらが登場して、
「骨は手で外して向こう側に」
なんて言っていました。
 
 
 

私 の 勝 ち で す ね 。

 
 
 
以上。
 
 
 
学塾ヴィッセンブルク 朝倉智義